先日、「ノートパソコンの電源を入れても起動しない」というご相談をいただきました。
お預かりして診断したところ、原因は基板の故障でも、メインバッテリーの劣化でもありませんでした。
原因は、パソコンの中に入っている小さな「ボタン電池」の電池切れ。
「え、ノートパソコンってボタン電池が入ってるの?」と驚かれる方がとても多いので、今日はこの小さな電池の話をします。
ノートパソコンの中には、腕時計と同じような電池が入っています
ノートパソコンの内部には、CR2032などのボタン電池(コイン電池)が1個入っています。「CMOS電池」や「BIOS電池」と呼ばれるものです。
この電池の仕事は、パソコンの電源が完全に切れている間も
- 内蔵時計(日付・時刻)を動かし続ける
- 起動に必要な基本設定(BIOS/UEFI設定)を保持する
こと。いわば、パソコンが眠っている間も心臓の脇で動き続けている腕時計のような存在です。
寿命はおおよそ3〜5年。デスクトップよりノートパソコンのほうが省スペースな分、電池も働き者です。長く使っているパソコンほど、ある日静かに切れます。
電池が切れるとこんな症状が出ます
CMOS電池が切れたときの症状は、こんな形で現れます。
- 起動するたびに日付・時刻が2000年や2015年などにリセットされる
- 「日付と時刻を設定してください」というメッセージが出る
- 起動時に英語のエラー画面(CMOS Checksum Error など)が出て止まる
- F1キーを押さないと起動しない
- 設定が保存されない
- 機種によっては、そもそも起動しない・起動が不安定になる
「日付がずれるだけなら放っておけばいい」と思われがちですが、日付が大きく狂うと、インターネットのセキュリティ証明書のエラーが出てWebサイトが開けなくなったり、Windowsの更新やアプリのライセンス認証に失敗したりと、意外なところに波及します。
今回のお客様のように「起動しない」という一見重症な症状が、電池ひとつで起きることもあります。
自分で交換できる? — できる機種も、あります
正直にお伝えすると、機種によっては自分で交換できます。裏蓋を開けてすぐの場所に電池がある機種なら、手先が器用な方には難しくない作業です。
ただ、実際にお店で毎日パソコンを開けている立場から、いくつか知っておいてほしいことがあります。
落とし穴1:コンビニのCR2032がそのまま付くとは限らない
ノートパソコンのCMOS電池は、市販のボタン電池そのままではなく、リード線とコネクタが付いた専用品や、絶縁チューブで包まれたタイプが使われていることが多いです。中には充電式の特殊電池や、基板に直接半田付けされている機種もあります。「電池だけ買ってきたのに付けられない」はよくある話です。
落とし穴2:電池までの道のりが遠い機種がある
裏蓋全体を外し、場合によってはキーボードや基板を持ち上げないと電池に届かない機種があります。途中には切れやすい薄いケーブルやコネクタがいくつもあり、電池交換のつもりがケーブル破損で別の修理に…というご相談も実際にあります。
落とし穴3:原因が本当に電池とは限らない
「日付がリセットされる」はCMOS電池の可能性が高い症状ですが、「起動しない」は電源回路・メインバッテリー・基板の故障でも起きます。電池を交換しても直らなければ、開けた手間がそのまま無駄になってしまいます。
プロに任せていただければ、診断からセットで確認します
当店ではCMOS電池の交換を、診断・分解・交換・日付やBIOS設定の復旧・動作確認までセットで行っています。
- 標準的な機種:5,500円(税込・部品代込み)
- 分解に手間がかかる機種(キーボード下・基板裏など):8,800円(税込・部品代込み)
- 半田付けタイプ・特殊電池の機種:状態を確認してお見積り
※部品交換の作業なので、データはそのままです。
※診断の結果、原因が電池ではなかった場合も、症状に応じた修理をご提案します(もちろん、そこで止めていただいてもかまいません)。
型番と症状をLINEで送っていただければ、お使いの機種が「すぐ届くタイプ」か「分解が必要なタイプ」か、事前におおよそお答えできます。
まとめ:日付がずれ始めたら、電池からのサインです
- ノートパソコンにはボタン電池(CMOS電池)が入っていて、時計と設定を守っている
- 寿命は3〜5年。切れると日付リセット・エラー画面・起動不良の原因に
- 自分で交換できる機種もあるが、専用電池・分解難易度・原因の切り分けという3つの落とし穴がある
「最近、パソコンの時計がずれるな」と思ったら、それは中の小さな電池からのサインかもしれません。南草津駅徒歩3分、まずはLINEで型番と症状をお送りください。



